東京都美術館へプーシキン美術館展を見に行ってきました。
会期も残り1週間ほどということもあり、館内は入場制限が出るほどの盛況ぶり。プーシキン美術館展…この企画でこれほどの人を集められるのかと少し驚きました。今回の目的はマティスの作品を見ること!よって、一点一点作品を見ながらゆっくりと移動していく列には加わらず、人垣越しに展示品をちらちらと覗き見ながら足を進めました。
マティスに辿り着くまでに「おっ!」と足を止めた作品が一つ。
ウジェーヌ・カリエール『母の接吻』
印象派の色彩豊かな作品群のあとだけに、モノトーン調の光の効果がとても印象意的でした。闇の中で光があてられ幻想的に浮かび上がる母娘3人は、あまりに柔らかく描かれていて、近くで見ると何が描かれているのかよくわからないくらいです。この作品、左斜めから見るのがお薦めです!
「カリエールってよく知らないけど、どこかで聞いたことある人だな…」と思いながら、家に帰って調べてみると、マティスが画家になりたての頃に通っていた美術学校の一つ、アカデミー・カリエールの主宰者でした。そうかそうか、マティスの先生ね!今後は一人の画家としてカリエールをチェックしてみます。
お目当てのマティスはというと…
展覧会のポスターにも使われている『金魚』を含めてたった3点!プーシキン美術館は、パリのポンピドー、ニューヨークのMOMA、ワシントンのナショナル・ギャラリー、そしてロシアのエルミタージュなどと並んで、マティス・コレクションでは有名で、それだけに期待してきたのに…がっかり。
唯一の収穫は今までどんな画集や展覧会でも見たことのない作品が出ていたこと。
アンリ・マティス『白い花瓶の花束』
初の南仏旅行以後、明るい色彩を使い始めた頃の作品ですが、マティスのサインが入っていなければそうとはわからなかったと思います。ごくごく初期の頃は古典的な静物画なども描いていますが、南仏旅行以降は新たな試みの実験的作品を多く描くようになり、色彩の扱いはともかく、ここまでオーソドックスな構図の花の絵なんて初めて見ました!
ちなみにうちのかみさんはこの作品をえらく気に入っておりました!
最後にもうひとつ!
パブロ・ピカソ『アルルカンと女友達』
画集などでもよく見るこの“青の時代”の名作にお目にかかれるなんて、ちょっと儲けものでした!プーシキン美術館所蔵作品とはまったく知りませんでした。展覧会ポスターにこの絵を使っていたら、もっと混雑していたのでは?!
今回はまったくブログ・タイトルにそぐわない内容でした…。