ここ1ヶ月ほど、大沢在昌氏の『新宿鮫』シリーズにはまっている。
いわゆるハードボイルド小説にこれだけ夢中になるのは初めてだ。以前、北方謙三氏やレイモンド・チャンドラー氏の短編を読んでみたが、どうもしっくりこなくて途中で投げ出していた。以来、ハードボイルドは苦手なものだと決めつけていた。
実は今回、『新宿鮫』を読み始めたのも、「ハードボイルドを読んでみよう!」と思ったからではない。『半落ち』で有名な横山秀夫氏の著作を何冊か読み(『半落ち』は読んでいないが…)、初めて警察小説といわれるジャンルを知り、他の警察小説も読んでみようと手にしたのが『新宿鮫』だった。スリリングな展開に、登場人物もなかなか味わいがあって、こりゃ面白い!てことで2作目、3作目と読み進むうちに、大沢在昌氏はハードボイルド作家だということを知った。そうか…ハードボイルドが全部ダメなわけではないのだ。
まあ、ジャンルが何であれ自分にとって面白ければそれでいいのだが…。
ちなみに
ウィキペディアで調べてみると…
ハードボイルドとは、「ミステリの分野のうちでも、感傷を排して、ことさらに文体や主人公の性格、行動などの冷静さ、一部には冷酷を装った内容をもつ作風の小説」だそうだ。
警察小説は、単独では投稿されていないが、推理小説の中の1ジャンルとして挙げられ、「警察官が主人公であるもの。謎解きそのものより警察の捜査活動の描写に重点が置かれる。警察組織内部の情勢や暗部を題材としたものもある」と説明されている。
なるほど…。ということは『新宿鮫』は、ハードボイルドの作風で書かれた警察小説、ということだ。
だから何ってことでもないが、なんだかスッキリした!!
※さらに調べてみると、『新宿鮫』で投稿されており、「大沢在昌のハードボイルド小説。新宿署の鮫島警部を主人公とする警察小説のシリーズ」とちゃんと書いてあった…。
まだ、シリーズ5作目『炎蛹』の途中だが、今まで読んだ中では2作目『毒猿』が一番好きである。
台湾の殺し屋・毒猿がカッコ良すぎる!映像にしたらきっと目を覆いたくなるであろう残虐な暴力シーンが幾つか登場するが、毒猿の凄さを際立たせるための必要不可欠な表現だと思えたし、むしろ読んでいてスカッとした。(心が病んでるわけじゃないよな…??)
この物語では、ほとんど新宿鮫は脇役ですな!
ごくごく個人的なことを言わせていただければ、『新宿鮫』の舞台は文字通り新宿界隈であり、登場する地名や通りがとても身近なため、頭に絵を描きやすいというのもありがたい。
風林会館、花園神社、区役所通り、早稲田通り、小滝橋通り…それになんといっても新宿鮫は中野区野方に住んでいる!同じ中野区民だ!!